羽毛布団リフォーム

2026.04.20

【ちょっとだけ閲覧注意】大阪府のお客様・フェザー枕のリフォーム

全国からお預かりした大切な羽毛枕やフェザー枕をお一人ずつのご要望に合わせて丁寧にリフォーム・お直しする作業風景

こんにちは、店長です!

ホームページからのお問い合わせにて、大阪府にお住まいの方からこんなご相談を受けました。

枕の修理・打ち直しのことで困っていたところ、インターネットで御社のHPを拝見しました。記事を読んで、ぜひともうちの枕のことも相談に乗ってもらいたくてメールしております。 お気に入りの羽毛枕ですが、10年以上も使ってきたために、枕の表面が破れて羽毛が脱落(飛び出してきている状態です)。もう、捨てるほかないかな、と思って諦めていたところ、御社の記事を見て相談している次第です。 購入時期も、素材なども不明で、付着していた商品タグ・商品素材も不明です。ぜひ一度見て頂いて、可能な範囲で修理頂ければ幸甚です。

羽毛枕のお直しについてのご相談は全国から定期的にいただいております。過去には枕に入っている羽毛の量が少ないから増やしてほしい!というご要望にお応えしたことも。

今回のお客様も長年使っていた枕に愛着があり、汚れや生地の破れが直せるなら綺麗にリフォームしてまた長く使っていきたいという想いをお持ちでした。

私たちとしても、寝具を長く・気持ち良く使っていただけるのはとても幸せなことなので、リフォームが可能かどうか枕の現物を一度送ってもらい、状態をチェックすることになりました。

※これから掲載する画像のなかには羽毛の羽根、特に大きくて黒いフェザーが写っている部分があります。鳥や羽根を見るのが苦手な方・ゾワゾワする方はご注意ください。

お預かりした羽毛枕の現状

10年間毎日大切に愛用され、首元や頭が触れる生地表面に全体的な汚れやシミが見られるお預かり時のフェザー枕

送っていただいた枕がこちら。約10年使用、男性がお使いだったということもあり、生地に汚れ・シミが付いている状態です。

サイズはたて45cm×よこ65cmくらい。

長年の摩擦によって生地が大きく破れ、内側の二重生地によってかろうじて中身の吹き出しが耐えている枕の裏面

裏面を向けると生地が大胆に破れています。生地は2重になっていたので、羽毛の吹き出しがかろうじて抑えられているといった状態。

生地の経年劣化により、縫い目のわずかな隙間から外へと飛び出してきてしまっている羽毛フェザーの様子

それでも生地の縫い目から羽毛・フェザーが飛び出していますね。

どのような中身素材が使われているかを確認するために、破れた側生地を少し開いて内部の状態を診断

中にはどんな羽毛が入っているのか。生地を開けてみると、大きな羽根がたくさん出てきました。

ダウンの混入がない硬い芯を持ったフェザー100%の素材と長年の使用による微細なホコリやチリの発生状態

ダウンは全く入っていないフェザー100%。硬い芯が付いている大きなフェザーなので、原型を留めている段階ではあります。ですが小さなホコリやチリは確実に出やすくなっているので、破れた生地を変えないまま使っていたら頭がホコリまみれになってしまいそうです。


ここまで枕の状態をチェックしたところで、状態の診断結果と見解をお客様にお伝えしました。

結論からいうと、この枕をリフォームすることは物理的には可能です。

しかし、

  • 枕の使用期間が10年を過ぎていること
  • 中身がフェザー100%であったこと
  • 中からホコリが出やすくなっていること

この3つを考えたとき、新品を購入されることもひとつの選択肢だと思います。

今回の枕をお直しするためには、生地を新しくして中身をできるだけ多く補充することが絶対条件。それを行うと、新品を買うのとほぼ同じくらいのコストになります。特にフェザー枕はダウン枕よりもお値段が安いので、リフォームの方が高くつくかもしれません。

そのことを正直にお客様にお伝えし、どちらの方が良いかじっくり検討してもらいました。すると、

色々と詳しくチェックしていただき、本当にありがとうございます。自分の使っていた枕の状況が、はじめて大変よく分かりました。 なかなか大阪の百貨店の枕売り場でも、このような詳しい説明をしてもらうことはできずに、すぐに、頭のサイズを測定されて、プラスチック樹脂を詰めたオーダー枕を勧められてしまいます。

それで、今後のことですが、三浦様にせっかく見て頂いておりますので、(アドバイスと正反対の依頼ですが)この予算で今回お送りした枕を修理して自宅宛に返送頂けますでしょうか。保存用としても何とか大切に使っていきたいと思います。

というご回答。お客様はフェザー枕の「柔らかいけれどしっかりした寝心地」がとても気に入っているご様子。おそらくオーダー枕(僕たちも作っていますが)や他の枕がどんなに良いと説明されたりおすすめされても、フェザー枕じゃなきゃ何となくしっくりこないんじゃないかなと思います。

そういうこだわりというか、感覚的なところって、結構大事なんですよね。言葉で説明するのは難しいけれど、感触とか自分の落ち着く場所みたいな感じ。これを変えちゃうとダメになることって多いです。枕が変わると眠れなくなるってやっぱりあると思いますよ。

そんなこんなで、枕のお直しは実行決定。やると決まればあとはこちらに任せていただくだけ。お客様の希望が叶うように、当店が責任を持ってお直しさせていただきました!

傷んだ枕をお直しする!

お預かりした枕と同じ扱いやすい45cm×65cmサイズに合わせて新しく丁寧に縫製した枕用の側生地

まずは生地のお仕立て。新品の生地で枕用におつくりしました。サイズは現状と同じ45×65cmに。

フェザーの鋭い芯が外に突き抜けてこないように綿100%の頑丈な防ダニ生地を2重に重ねた特製仕様

羽毛布団にも使用する綿100%の生地を採用しているので、羽毛が吹き出す心配はありません。今回はフェザー100%の羽毛を使用するので、芯が突き抜けてこないように生地を2重にしています。この辺りもぬかりなく。

古い枕からチリや劣化したホコリを除き、再利用可能な状態の良いフェザーだけを選別して機械に投入する工程

お預かりした枕から半分ほど中身を再利用します。全部使っても良いのですが、やはり小さなホコリやチリが気になるので、できるだけ良い状態のフェザーを選びながら機械に投入していきます。

失われたボリュームと心地よい弾力を取り戻すために用意した新しく綺麗な補充用の高級フェザー原料

そこに補充するのは新品のフェザー。

枕の高さと頭を支えるしっかりとしたコシを復元するために精密に計量された500gの新品フェザー

フェザー100%の原料を500g用意しました。こちらを足していきます。

機械が詰まるのを防ぐために少しずつ量を調整しながら新しいフェザーと元のフェザーを投入する作業

原料を混ぜる。一度にたくさんの量を入れちゃうと詰まってしまうので、ほどほどから始めていきます。

新旧のフェザーが枕の内部で偏りなく均一に混ざり合い心地よい質感を作るためのミキシング工程

ダマにならないようにミックスしていきます。

二重に仕立てた新しい側生地の吹き込み口へマシーンのノズルを差し込み充填を開始する様子

生地にはノズルが入るだけの口を開けているので、そこからフェザーを吹き込みます。

強力な空気の風に乗せてブレンドされたフェザーを勢いよく枕の隅々まで行き渡らせる充填風景

ぐるぐる。風に乗ってフェザーが枕に入っていきます。

ブレンド羽毛に続いて、後半はさらにクッション性を高めるための新品フェザー100%をたっぷりと追加

1回目の吹き込みが終わったら、次は新品フェザーのみを補充。用意した500gをすべて使い切りました。

合計約1kgのフェザーが充填され、見違えるようにふっくらとボリュームが蘇ったお直し途中の枕

フェザーが吹き込まれてパンパンになった枕。

フェザーが絶対に外へ漏れ出さないよう、ミシンを使って吹き込み口の縫い目を完全に密閉する仕上げ工程

口を閉じれば、枕のお直しが完成です!

出来上がった枕のお直し

真っ白で清潔な綿100%の新品生地に包まれ、劇的に綺麗でおしゃれに生まれ変わったリフォーム完了後の枕

出来上がった枕がこちら。生地が新品になっているので、劇的にキレイになりました。

手で押すと適度な弾力性でしっかり押し返し、理想的な頭の沈み込みをキープしてくれる復活したフェザー枕

約1kgのフェザーが中に入っています。そのうち新品のフェザーが500gですから、中身の半分が新品に入れ替わった形。手で触るとほどよい弾力性で押し返してくれるので、頭の沈み込みを極力少なくできていると思います。その辺りを特に今回は気を配りながらお直しさせていただきました。

キレイにお直しが完了した枕、お客様の目には一体どのように映るのでしょうか?出来栄えに満足していただければ嬉しいな。そして、これからまた毎日気持ち良く使ってもらえればありがたいですね。

9月14日(金)追記

出来上がった枕がお客様のもとに無事到着。早速お使いになったとのことで寝心地の感想をいただきました!

無事に枕、届きました。お世話になりました。早速昨夜使ってみましたが、かなりいい感じでよく眠れました。 もう暫く使って、また感想を送らせてもらいます。ありがとうございました。

いや、喜んでもらえて本当に良かった!よく眠れたという言葉を聞くのが一番うれしい瞬間ですね。

これからも長く愛用していただければ幸いです。本当にありがとうございました☆